米国運輸保安庁(TSA)は、2026年2月1日より、リアルIDを持たずに国内線へ搭乗する旅行者に対し、45ドルの手数料を課すと正式発表しました。長年延期されてきたリアルID施行に向け、TSAはセキュリティの厳格化と運用現場の混乱防止のため、新たな代替本人確認システム 「TSA Confirm.ID」 を導入します。
多くの旅行者にとって、次の1年は「早めのID更新」が最大の優先課題となるでしょう。

TSA Confirm.IDとは?— 45ドルで10日間有効の代替本人確認
リアルIDを持たない旅行者は、空港セキュリティチェックで本人確認を行う際に、Confirm.ID を利用するための45ドルの手数料が必要となります。
Confirm.IDのポイント
- 料金:45ドル
- 有効期間:10日間(旅行期間をカバー)
- オンライン事前支払い推奨
- 支払いは事前に済ませておくことが望ましい
- 空港でも支払い可能だが、処理に最大30分かかる可能性があるとTSAは警告
TSAは「リアルID未所持の人は、旅行前にオンラインで45ドルを支払い、スムーズな保安検査を確保してほしい」と呼びかけています。
TSAが強く推奨:早めのリアルID取得
TSAは、リアルID未所持の旅行者に対し、最寄りのDMVで早急に予約・更新手続きを行うことを強く推奨しています。
リアルIDが必要となる理由
リアルIDは、9.11以降に導入された連邦基準に準拠し、
身分証明の厳格化と航空セキュリティ強化を目的とした国家プロジェクト。
本来2008年から義務化される予定でしたが、各州の準備遅延や制度調整により、度重なる延期を経てようやく本格施行を迎えます。
現在、94%以上の乗客はリアルIDまたは有効な代替身分証明書を既に使用しており、未取得者は「少数派」になりつつあるものの、影響は依然大きいと考えられます。
リアルID申請で必要な書類:ニューヨーク州の場合
ニューヨーク州でリアルIDを申請する際は、以下の書類が必要です。
提出すべき書類(次のうち2点)
- NY州運転免許証、仮免許証、ノンドライバーズID
- 最近の銀行取引明細書
- 給与明細
- 公共料金の請求書
- クレジットカード明細
- 指定された電子文書の紙出力版
注意:PO Box(私書箱)記載の書類は不可。
有効書類の条件
- 発行日が窓口訪問から1年以内
- 結婚・離婚などでの名前変更がある場合:
- それぞれの変更がわかる 婚姻証明書、離婚判決書などの書類 が必要
申請時期
- 通常の更新:有効期限の12か月前から
- ただしリアルID・EDLへの切替の場合:
通常より早期の更新申請が可能
リアルIDの代わりに使える有効な身分証明書
リアルIDを持っていなくても、以下の公的証明書があれば問題なく国内線に搭乗できます。
- リアルID準拠の運転免許証・DMV発行ID
- 強化運転免許証(EDL)または強化身分証(EID)
- パスポート
- DHS発行のTrusted Travelerカード(Global Entry / NEXUS / SENTRI / FAST)
- 米国防総省の身分証(家族用ID含む)
- グリーンカード(永住権カード)
- その他の連邦政府が指定する公的ID
旅行者が今すぐすべきこと:3つのステップ
1. 自分のIDが「リアルID対応」か確認する
星マーク(★)が右上にあればリアルIDです。
2. DMVで早めに更新予約を取る
必要書類を揃え、1年前から準備開始が理想。
3. 未取得の場合は「Confirm.ID」の利用を想定する
旅行計画に45ドルの追加コストが発生する点に注意。

まとめ—2026年はID強化の転換点に
リアルID義務化は、アメリカ国内の航空セキュリティ体制の大きな節目と言えます。
準備不足のまま空港に向かうと、45ドルの手数料や最大30分の追加待機といった負担も生じます。
早めの更新こそ最大の防御策。
2026年2月を見据え、確実な準備を進めておきましょう。
