アメリカ生活を送る上で、11月のビッグイベントといえば感謝祭(Thanksgiving Day)です。毎年11月の第4木曜日に祝われるこの祝日は、アメリカ人にとってクリスマスと並ぶほど大切な日。
「ターキーを食べる日」というイメージが強いかもしれませんが、その背景にある歴史や、現代のアメリカでの過ごし方、そして在米日本人として知っておきたいお役立ち情報をまとめてご紹介します。
1. 感謝祭の「なぜ?」を知る:歴史と由来
感謝祭の起源は、1621年にさかのぼります。
ヨーロッパからアメリカ大陸に移住してきた清教徒(ピルグリム)たちは、厳しい冬を乗り越え、先住民であるワンパノアグ族の助けを借りて初めての豊かな収穫を得ることができました。この収穫を神と先住民に感謝し、共に祝宴を開いたのが感謝祭の始まりとされています。

【ポイント】
•日付: 毎年11月の第4木曜日
•祝日化: 1863年、エイブラハム・リンカーン大統領によって正式に国の祝日と定められました。
•現代の意義: 現代では、歴史的な背景よりも「家族や友人と集まり、日々の恵みに感謝する」という点が重視されています。
2. 現代アメリカの感謝祭:過ごし方と伝統
感謝祭は、多くの企業や学校が翌日の金曜日も休みとなり、4連休となることが一般的です。この連休は、家族や親戚が一堂に会する大切な機会となります。
伝統的な食事:ターキーとサイドディッシュ
感謝祭の食卓に欠かせないのが、丸ごと焼かれたターキー(七面鳥)です。ターキーには、パンや野菜を詰めたスタッフィングが詰められ、クランベリーソースを添えて食べられます。
その他にも、定番のサイドディッシュが並びます。
料理名
マッシュポテト グレイビーソースをたっぷりかけていただきます。
グリーンビーンキャセロール インゲン豆をクリームソースで和え、フライドオニオンを乗せて焼いたもの。
スイートポテトキャセロール サツマイモにマシュマロを乗せて焼いた甘いデザート感覚の料理。
パンプキンパイ 食後のデザートの定番。
その他のイベント
•パレード: ニューヨークの「メイシーズ・サンクスギビング・デイ・パレード」に代表される大規模なパレードが有名です。
•アメフト観戦: 家族で集まって、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の試合をテレビ観戦するのも定番の過ごし方です。
•ブラックフライデー: 感謝祭の翌日(金曜日)は、一年で最も大規模なセール「ブラックフライデー」が始まります。
3. 在米日本人向け!感謝祭のお役立ち情報
アメリカ在住の日本人にとって、感謝祭は文化の違いを感じる機会でもあります。スムーズに過ごすための実用的なヒントをご紹介します。
1. 感謝祭の「感謝」を表現する
日本の「勤労感謝の日」とは異なり、アメリカの感謝祭は「日々の恵みや人間関係」への感謝を捧げる日です。
•ホストへの感謝: 招待された場合は、手土産(ワイン、デザートなど)を持参し、食事の前に「What are you thankful for?(何に感謝していますか?)」と聞かれたら、簡潔に答えられるよう準備しておくと良いでしょう。
•日本の文化紹介: 逆に、日本の文化や食べ物を少し紹介するのも喜ばれます。
2. 交通とお店の営業時間に注意
感謝祭の連休は、アメリカ国内の移動が最も混雑する時期の一つです。
•交通機関: 飛行機や長距離バスは早めの予約が必須です。道路も大渋滞します。
•店舗の休業: 感謝祭当日(木曜日)は、ほとんどのスーパー、レストラン、銀行、郵便局などが休業します。食料品の買い出しは水曜日までに済ませておきましょう。
3. ターキー以外の選択肢
ターキーはサイズが大きく、少人数の家庭では持て余しがちです。
•ターキーブレスト: 丸ごとではなく、胸肉(ターキーブレスト)だけを購入すれば、手軽に感謝祭の雰囲気を楽しめます。
•ハムやローストチキン: ターキーにこだわらず、ハムやローストチキンで代用する家庭も増えています。
4. ブラックフライデーの賢い活用法
翌日のブラックフライデーは、家電や衣料品などを大幅に安く購入できるチャンスです。
•オンライン活用: 混雑を避けるため、多くのセールはオンラインでも同時開催されます。事前に欲しいものをチェックリストにしておくと効率的です。
•サイバーマンデー: 月曜日にはオンライン限定の「サイバーマンデー」セールもあります。
まとめ
感謝祭は、アメリカの文化と家族の絆を深く感じられる素晴らしい祝日です。歴史を知り、伝統的な食事を楽しみ、そしてこの時期ならではのイベントやセールを賢く活用して、アメリカでの生活をさらに豊かなものにしてくださいね。
Happy Thanksgiving!
