海外に住んでいても、日本の携帯電話番号を維持することの重要性は増すばかりです。銀行口座の開設、クレジットカードの認証、オンラインサービスの利用など、多くの場面で日本の電話番号によるSMS認証が求められます。しかし、海外にいる間も高額な月額料金を支払い続けるのは避けたいものです。
この記事では、海外在住者が日本の携帯番号を効率的かつ経済的に維持するための主要な選択肢を徹底的に比較し、それぞれのメリット・デメリット、そして具体的な料金プランを分かりやすく解説します。あなたに最適なプランを見つけるための参考にしてください。



なぜ海外在住でも日本の携帯番号が必要なのか?
海外生活を送る中で、日本の携帯番号が不可欠となる主な理由は以下の通りです。
•SMS認証: 銀行、証券会社、クレジットカード会社、各種オンラインサービスなど、セキュリティ強化のためにSMS認証を導入しているケースが非常に多いです。日本の電話番号がないと、これらのサービスが利用できなくなる可能性があります。
•一時帰国時の利便性: 一時帰国した際に、すぐに日本の通信サービスを利用できるのは大きなメリットです。現地でSIMカードを探したり、Wi-Fiルーターをレンタルしたりする手間が省けます。
•連絡手段の維持: 日本の家族や友人との連絡手段として、また日本の企業とのやり取りにおいて、日本の電話番号は信頼性の高い連絡先となります。
それでは、具体的な維持方法とサービスを見ていきましょう。
主要な日本携帯番号維持サービス比較
海外在住者が日本の携帯番号を維持するための主な選択肢は以下の通りです。
1. Povo2.0
KDDIが提供するPovo2.0は、基本料金0円で日本の電話番号を維持できる画期的なプランです。海外在住者にとって最も無駄のない選択肢として注目されています。

•基本維持費: 月額0円。ただし、180日ごとに300円以上のトッピング(データ購入など)が必要です。これを怠るとサービス停止・解約の可能性があります。
•SMS受信: 海外でも無料でSMSを受信可能です。
•データ通信: 基本はデータなし。必要な時にデータトッピングを購入して利用します。一時帰国時などに便利です。
•eSIM対応: eSIMに対応しているため、海外のSIMと切り替えて利用するのが容易です。
•注意点: 国や地域によってはSMSが届きにくい、または受信に時間差が生じる場合があります。
2. 大手キャリアの休止サービス(ドコモ、au、ソフトバンク)
日本の主要3キャリアは、海外滞在中に電話番号を一時的に保管するサービスを提供しています。これは、海外に長期滞在する際に電話番号を一時的に保管できるサービスです。
•ドコモの電話番号保管サービス
•保管期間: 最長6年間。
•事務手数料: 3,850円(税込)。Web手続きでは1,100円(税込)ですが、2023年12月1日以降はドコモインフォメーションセンターでの手続きは3,850円に変更。
•月額保管料: 電話番号保管に月額440円(税込)、メールアドレス保管に月額110円(税込)。
•注意点: 休止手続きには本人確認書類が必要です。
•auの休止サービス
•保管期間: 最長5年間。
•事務手数料: 3,850円。緊急通話停止から自動移行した場合は無料。
•月額保管料: 409円。ユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料が別途発生。
•注意点: auショップでの手続きが必要。印鑑、本人確認書類、使用中のスマートフォンが必要です。
•ソフトバンクの休止サービス
•保管期間: 最長5年間。
•月額保管料: 429円。
•注意点: ソフトバンクショップでの手続きが必要。本人確認書類が必要です。
これらのサービスは、一時的に日本の電話番号を維持したい場合に有効ですが、月額料金が発生するため、Povo2.0のような0円維持が可能な格安SIMと比較検討が必要です。
3. 楽天モバイル
楽天モバイルは、海外在住者にとって日本の携帯番号を維持する上で魅力的な選択肢の一つです。

•月額料金: 月額1,078円から日本の携帯番号を維持できます。
•海外データ通信: 月2GBまで無料で利用可能です。
•一時帰国時: データ無制限で月額3,278円で利用できます。
•Rakuten Link: 独自アプリ「Rakuten Link」を利用することで、海外からでも日本への通話が無料になります。
•eSIM対応: eSIMに対応しているため、切り替えが容易です。
4. HISモバイル
HISモバイルも、海外在住者が日本の携帯番号を維持するのに適した格安SIMです。

•月額料金: 月額290円から日本の電話番号を維持できます(1GBプランを契約し、データ使用量を月間100MB未満に抑えた場合)。
•SMS受信: 海外でも無料でSMSを受信可能です。
•データ通信: 基本はデータなし。一時帰国時などに通話やデータトッピングを追加できます。
•利用停止: 利用停止の心配がありません。
料金プラン比較チャート
以下に、各サービスの月額基本維持費を比較したチャートを示します。

まとめ
海外在住者が日本の携帯番号を維持する方法はいくつかありますが、それぞれに特徴があります。月額費用を抑えたい場合はPovo2.0やHISモバイルが有力な選択肢となります。特にPovo2.0は基本料金0円でSMS受信が可能という点で非常に魅力的です。楽天モバイルは海外でのデータ通信も利用したい場合に便利です。大手キャリアの休止サービスは、既存のキャリアメールアドレスを維持したい場合や、一時的な利用停止を希望する場合に適していますが、月額費用が発生します。
ご自身の利用状況や予算に合わせて、最適なプランを選択してください。
ちなみに、下記が私が利用した最安値!お勧めプランです。

基本アメリカ在住、目的は日本の電話番号を保持し、日本滞在中とアメリカ以外の国滞在中のネット環境を快適に!
日本滞在 (10月22日 – 11月4日)
台湾滞在(11月4日 – 11月8日)
日本滞在 (11月8日 – 11月12日)
11月12日にアメリカへ
上記の期間におけるPovo2.0の利用にかかる合計費用は2020円
内訳は以下の通りです。
•日本 (10月22日 – 11月4日): データ使い放題24時間トッピング 330円 (1回)
•この期間中に180日ルールに対応するための最低限のトッピングとして計上。データ利用が必要な場合は追加購入。
•台湾 (11月4日 – 11月8日): 1GB/3日間トッピング 680円 (2回) = 1360円
•5日間の滞在のため、3日間トッピングを2回購入する想定です。
•日本 (11月9日 – 11月12日): データ使い放題24時間トッピング 330円 (1回)
•この期間中にデータ利用が必要な場合を想定。SMS受信は無料です。
•アメリカ滞在中: SMS受信は無料。データ通信が必要な場合は別途「海外データトッピング」の購入が必要ですが、日本の電話番号維持のみであれば不要です。
より詳細な最適なPovo2.0利用戦略
この日程の場合、Povo2.0は非常に有効な選択肢となります。以下に各期間での利用戦略をまとめます。
1.日本滞在時 (10月22日 – 11月4日 および 11月9日 – 11月12日): SMS受信: 無料で利用可能です。
•データ通信: 必要に応じて「データ使い放題24時間」(330円)などのトッピングを購入します。これにより、日本国内でのインターネット利用が可能になります。180日ルールをクリアするためにも、この期間中に最低1回は300円以上のトッピングを購入。
•通話: 必要であれば「5分以内通話かけ放題」(550円/月)などの通話トッピングを追加できます。
2.台湾滞在時 (11月4日 – 11月8日): SMS受信: 無料で利用可能です。
•データ通信: 台湾向けの「海外データトッピング」を購入します。5日間の滞在であれば、「1GB (3日間) 680円」を2回購入するのが最も効率的です。これにより、台湾でのデータ通信が可能になります。
•通話: 海外ローミングでの通話料金は高額になるため、緊急時以外はLINEなどの無料通話アプリの利用を推奨します。
3.アメリカ滞在時 (11月13日以降):
•SMS受信: 無料で利用可能。これが日本の電話番号を維持する上で最も重要なポイントです。
•データ通信: アメリカでのデータ通信は、現地のSIMカードやWi-Fiを利用し、Povo2.0の海外データトッピングは購入しないことで費用を抑える。日本の電話番号維持のみであれば、データトッピングは不要。
180日ルール: 最後のトッピング購入から180日以内に再度300円以上のトッピングを購入する必要があります。アメリカ滞在中に日本の電話番号を維持し続けるためには、このルールを忘れないようにカレンダーなどに記録しておきましょう。例えば、日本での最後のトッピングが11月10日頃であれば、約2026年5月8日頃に再度トッピングが必要です。これは日本に一時帰国する際に購入しても良いですし、オンラインでデータトッピングを購入することも可能です。
結論
Povo2.0は、複雑な旅行日程においても、日本の電話番号を低コストで維持するための非常に優れた選択肢です。特にSMS受信が無料である点は、海外在住者にとって大きなメリットとなります。
データ通信は必要な時に必要な分だけトッピングで購入することで、無駄な出費を抑えることができます。180日ルールだけ注意して運用すれば、日本の電話番号を賢く維持可能。