不安広がる今、アメリカに住む日本人が知っておきたい基本知識と全米・西海岸の対策
ミネソタ州ミネアポリスで、市民2人が米移民関税執行局(ICE)の捜査員に相次いで射殺された事件をきっかけに、全米でICEの活動に対する不安が再び高まっている。
アメリカ最大の聖域都市(サンクチュアリ・シティ)の一つであるニューヨーク市でも、SNSを中心にICEの目撃情報や注意喚起の動画が拡散され、市民の間に緊張感が広がっている。
「聖域都市だから安全」「自分は日本人だから関係ない」
——そう思っている人ほど、最低限の知識と備えを知っておくことが重要だ。
本記事では、
- ニューヨークの最新状況
- 全米共通の基本知識
- 西海岸(カリフォルニア・ワシントン・オレゴン)の情報

まず押さえておきたい:ICEとは何か
ICE(Immigration and Customs Enforcement)は、連邦政府機関であり、州や市の方針とは独立して活動する。
重要なポイントは以下の通り。
- ICEの活動は予告なしで行われることが多い
- 私服捜査官や無印車両を使用する場合がある
- DHS/ICEのロゴ入り車両が使われることもある
- 路上、職場、裁判所周辺、公共交通機関付近などで活動
👉 聖域都市であっても、ICEの活動がゼロになるわけではない。
【NYC編】ニューヨークで事前に把握する方法
リアルタイム報告アプリ
市民による目撃情報の共有で、早期警報システムとして機能する。
- ICEBlock
地図上にICEの位置をピン留めし、半径5マイル以内のユーザーに通知。 - Coqui
匿名・無料。取締り情報と「比較的安全な場所」を共有。 - Deportation Tracker
強制送還や取締り活動の現場情報をリアルタイムで提供。 - Notifica
法執行機関との接触時に、緊急連絡先や法的支援者へ即時通知。
※誤情報もあり得るため、複数の情報源を併用することが大切。
コミュニティ&SNS監視
- ICE Watch NYC
NYC5区全域の目撃情報を調査・集約。
InstagramのDMで情報提供が可能。
緊急通報ホットライン(NY)
- ニューヨーク州 新移民支援局(ONA)
📞 1-800-566-7636 - NY/NJ 緊急対応ネットワーク
📞 1-800-308-0878
ICEの活動を目撃した際の確認・相談窓口。
ローテク警報という選択肢
サンセットパークなど一部地域では、笛が警報として使われている。
- 短く吹く:ICEの目撃
- 長く吹く:拘束・連行が発生
スマホが使えない状況でも機能する、原始的だが実用的な方法だ。
【西海岸編】カリフォルニア・ワシントン・オレゴン
西海岸もNY同様、サンクチュアリ政策を採用する地域が多い。
しかしここでも原則は同じで、ICEの活動自体は続いている。
カリフォルニア州(CA)
主な都市
ロサンゼルス/サンフランシスコ/サンディエゴ/サンノゼ など
特徴
- 全米でもICE目撃情報が多い州
- SNSや市民団体による監視が活発
主なリソース
- ICE Watch Los Angeles / Bay Area
- RAICES California
- Al Otro Lado
- California Immigrant Policy Center(CIPC)
👉 情報量が多いため、SNSフォローだけでも把握しやすい。
ワシントン州(WA)
主な都市
シアトル/タコマ
特徴
- シアトルは強いサンクチュアリ方針
- 空港・交通ハブ周辺での報告が目立つ
主なリソース
- NW Immigrant Rights Project(NWIRP)
- Seattle ICE Watch 系SNS
オレゴン州(OR)
主な都市
ポートランド
特徴
- 州法レベルで移民保護が比較的強い
- 局地的・断続的なICE活動
主なリソース
- Portland Immigrant Rights Coalition
- Oregon Sanctuary Promise Hotline
【全米共通】在米日本人が必ず知っておきたいこと
Know Your Rights(権利を知る)
州に関係なく共通する基本原則:
- 令状がなければドアを開ける義務はない
- 黙秘する権利がある
- 弁護士を求める権利がある
- 内容を理解せずに署名しない権利がある
👉 ACLUの「Know Your Rights」は全米共通の基準。
全米対応の支援ネットワーク
州外にいても利用できる団体:
- United We Dream(移民ホットライン)
- National Immigration Legal Services Directory
- 各州のImmigrant Defense Network
観光ビザ・ESTAでも無関係ではない
短期滞在者でも
- 職務質問
- 書類確認
- 誤解によるトラブル
に巻き込まれる可能性はある。
「自分は関係ない」という油断が一番のリスクだ。
まとめ:恐怖より「準備」
ICEの存在を過度に恐れる必要はない。
しかし、知らないままでいることはリスクになる。
- 情報源を複数持つ
- 地域と全米、両方の支援先を知る
- 自分の権利を理解する
これは政治の話ではなく、
アメリカで生活する日本人にとっての現実的な安全対策だ。
